2024年を迎えて

全国一般大阪地方労働組合ユニオンおおさか執行委員長 道脇清

ユニオンおおさかの仲間の皆さん、新年のごあいさつを申し上げます。

新型コロナウィルス感染症は2023年5月8日、五類に移行し、徐々に外国人訪日客の増加など経済活動も動き出してきました。しかし、物価高騰や円安などで政治・経済状況は、国内外を含めて混沌とし先行き不透明となっています。

ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルによるガザへの攻撃(ジェノサイド)は即時停戦を実現しなければなりません。さらに北朝鮮情勢や中国の台湾進攻の可能性などを口実に防衛費を「GDP比2%以上の増額・5年間で43兆円」は、とうてい容認できません。

経済政策では、増税強行の一方で所得税(4万円)の減税は、物価高対応、子育て支援などを理由としているが、一時的でバラマキとも言える予算編成となりました。また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用も年金法「改正」や世界金融政策に左右されるなど将来の不安定要因が高まり(2023年2四半期は6832億円の赤字)、運用の見直しなど抜本的な対策が求められています。


真の働き方改革を実現しよう

他方、自公歴代政権は「働き方改革関連法」を強行し、長時間労働の是正をはかるとしながら過労死ラインの過酷な労働を容認・助長する残業代ゼロ法などを導入しました。また、2021年4月からは中小企業にも同一労働同一賃金制度がスタートし、正規・非正規の格差是正の実現、65歳定年法制化(国家公務員2023・4施行)、70歳への継続雇用が努力義務となりました。一方で、「働き方改革」の名のもとで「副業」を認め、業務委託、請負、フリーランスなどのあいまいな雇用問題などは課題となっています。

さらに、2024年4月から建設業や運輸業に「時間外労働の上限規制」が適用されます。よって、長時間労働の是正が急務となります。


護憲・反核・反戦・平和に向けて
全ての選挙闘争に全力をあげよう

岸田政権は「新たな資本主義」をめざす中で、九条改憲に向けて憲法審査会を精力的に開催し、自らの任期中に憲法を「改正」すると豪語しています。さらに集団的自衛権行使容認とともに、高額な最新型の兵器(トマホークやイージス艦)購入など沖縄・南西諸島(琉球弧)の軍事基地化を推し進め、事故多発のオスプレイを強引に配備するなど戦争ができる国づくりにまい進しています。こうした憲法改悪や戦争政策・軍拡路線の動きに反対し、九条改憲阻止にむけての大衆行動が重要となっています。

さらに老朽原発の再稼働を許さず、大阪における万博・IR(カジノ)は税金の無駄遣いで将来に禍根を残すものであり、撤退や中止を求めていく必要があります。

また岸田政権の政策は一貫性に乏しく減税の一方で増税をめざす中で、政治資金規正法違反(キックバック)は政治問題の様相を呈しており、内閣や自民党支持率が大きく低下するなど政権運営に赤信号がともりつつあります。

そのため、予測される衆議院解散総選挙や各級自治体選挙など維新勢力の退潮をめざすとともに、すべての選挙闘争に勝利し、岸田政権の打倒に向けて奮闘する必要があります。


地裁・労働委員会闘争支援
未組織の組織化をはかろう

次に、未組織労働者の組織化、組織強化・拡大の課題であります。昨年は、Eメールやインターネットなどを活用し、前年同様約200件の労働相談に対応しました。その結果、2単組(さくら会病院労組他)、13支部(エムシーインターナショナル、進栄技研支部など)の仲間の組織化を実現しましたが、ここ数年、支部を結成してもほとんどが解決型であり、課題でもあります。

今後も安心して働き続けられる職場をめざして、非正規労働者を含めた組織化、職場内未加入の仲間の拡大に全力をあげていかなければなりません。同時に多くの地裁・労働委員会闘争ではマテロックス、EQWEL、丸文支部の闘いは地裁・労働委員会で和解決着をはかりました。さらに引き続き闘う職場(サトムラ、都島自校支部)の不当労働行為救済申立とともに、地裁闘争(サトムラ、アクタス、シークス支部など)への物心両面の支援にとりくみます。

今後も未組織の仲間の相談とともに問題・課題の解決をはかり、組織強化・拡大の実現に全力をあげます。とくに、非公然の仲間を中心とする職場交流会・学習会を今後も継続してとりくみ、組織化をめざします。


大幅賃上げを実現、生活防衛を図ろう

2024春闘は、昨年同様、物価高での闘いとなります。かつて1973物価高騰(30%超)の中でストライキを背景に1974春闘の闘い以降、50年ぶりの奮闘が求められています。昨年は、国内外でのストライキが行われました。国内では西武・そごうの雇用と職場を守るストライキを背景とする闘いに対するマスコミなどの反響は労働組合、働く者にとっての当然の権利として報道されました。

2024年度は、①春闘では、さらなる物価上昇が見込まれる中で、格差是正、生活防衛・向上にむけ確信の持てる要求を組織し、春闘討論集会参加など春闘勝利に向けとりくむ、②組織強化・拡大、未組織労働者の組織化実現、③反戦平和と民主主義を守る闘いにとりくむ。

こうした多くの課題に対して各組合・支部組合員が体制づくりをはかり、とりくみの強化を行うことが重要となっています。

ともに頑張りましょう。

本年も、よろしくお願いします。